F1五輪観戦記

F1を中心に、五輪なども取り上げるスポーツ観戦記です

フェルスタッペン鬼門のシンガポール。サインツが熾烈なバトルを制する

フェルスタッペンの連勝記録も、レッドブルの開幕連勝記録も、すべて止まった。フェルスタッペンは終盤に追い上げたが、5位がやっと。現行サーキットで数少ない未勝の地・シンガポールは、やはり彼の鬼門だった。 サインツがポール・トゥ・ウィンで今季初勝…

交錯するモンツァの記憶と、「第2のセナ」への想いを馳せて

1988年のセナ。マシンはマクラーレン・ホンダMP4/4 イタリアGPの観戦記で、『フェルスタッペンの6周目1コーナーの接触回避に、彼のこの2年間の成熟をみた』と書いた。その記事を読み返したとき、2021年のクラッシュに加えて、モンツァの1コーナーにはもう1つ…

アイルトン・セナの略歴

最速を求める姿勢と端正なルックスから、「F1史上で最もファンを魅了した」と評されるレーシングドライバー。1980年代から90年代半ばまで、自動車レース最高峰の舞台で活躍した。3度のF1ワールドチャンピオンに輝いたものの、レース中の事故により34歳の若さ…

フェルスタッペンの凄みをみた10連勝、サインツMVP級の活躍——イタリアGP

レース序盤、フェルスタッペンを必死に抑えるサインツ フェルスタッペンが今季12勝目を挙げ、F1新記録となる10連勝を達成した。ペレスもラッセルやフェラーリ2台とのし烈なバトルを制して2位を獲得。チームは開幕14連勝を1-2で決めた。フェルスタッペンがバ…

「学べる期間」が短すぎたルクレールの悲劇

物憂げな表情を浮かべるルクレール。この表情が最高に絵になることもまた、彼の悲劇である フェラーリ5年目となるルクレールが苦闘している。私は、ルクレールにとって不幸なのは『学べる環境』に身を置くのが短すぎたことだ、と考えている。 ◇ ◇ (この記事…

雨も赤旗も止められなかったフェルスタッペン9連勝——オランダGP

9連勝のシーズン11勝目を挙げたフェルスタッペン。トロフィーもいまのところ無事のようだ フェルスタッペンが母国オランダで3年連続優勝を飾った。シーズン11勝目で、連勝もF1記録に並ぶ「9」に伸ばした。レース1周目の雨も、サージェントのクラッシュによる…

フェルスタッペン圧倒も、大混戦の2番手以降——オランダGP予選

ポールポジションの記念を受け取るフェルスタッペン。個人的にはお姉さんの美しさに目がいく フェルスタッペンがQ3で2回も赤旗が入る波乱の予選を制した。2位ノリスに0.5秒差、僚友ペレスに1.3秒差をつける圧倒的な速さだった。 未知のコンディションで圧倒…

まさに「2002年型」となった23シーズン前半戦

チームメイト対決でターニングポイントとなったマイアミGP 2023年F1前半戦の振り返りだが、開幕戦で感じた印象がすべてだった、という気がする。ペレスも奮闘したが、マイアミの逆転負けをきっかけに潰れてしまった。 1つの要因ではレッドブルの強さを説明で…

ピアストリが輝き、角田が久々の入賞を果たしたベルギーGP

今季10勝目を飾ったフェルスタッペン(右)と、2位に入り久々の1-2をチームにもたらしたペレス フェルスタッペンがスプリントと決勝の両方を制し、自身の連勝を「8」、チームの開幕連勝記録を「12」に伸ばした。 この週末は2人のドライバーの活躍が目立った…

予選の大接戦も吹き飛ぶ、フェルスタッペン独走劇——ハンガリーGP

壊れた優勝カップ(この件は後述)を手に、今季7勝目を喜ぶフェルスタッペン ハミルトンが予選で1年半ぶりとなるポールポジションを獲得。Q3で上位9台がコンマ5秒に収まる僅差だったことから、決勝前は混戦も期待された。 しかし、終わってみればフェルスタ…

角田、ドライバーの幅を広げるチャンスに——リカルド加入、デ・フリース更迭に思う

デ・フリースが開幕から10レースを終えたところで、アルファタウリから解雇。次戦ハンガリー以降はレッドブルのサードドライバーを務めていたリカルドが乗ることが決まった。 Twitterで散発的に書いてきた、今回のドライバー人事に対する感想をまとめてみた…

ノリス、ピアストリ躍動のイギリスGP

優勝したフェルスタッペン(左)と、大健闘の末、2位に入ったノリス マクラーレン勢が躍動した週末だった。昨年のイギリスGPを見たとき、「これだけバトルの激しいレースはもう見られないかもしれない」と思ったが、スタートでのノリスの首位奪取、終盤のノ…

「トラックリミット騒動」が主役のレースに——オーストリアGP

物議を醸したトラックリミット違反 フェルスタッペン7勝目も、フェラーリ久々の首位走行も、4位ノリスの健闘も「トラックリミット違反」騒動で消し飛んだレースだった。9コーナーから最終コーナー立ち上がりの高速区間で、レース中のトラックリミット違反の…

フェルスタッペン6勝目、王者そろい踏みの表彰台——カナダGP

3人の王者とともに表彰台に立つエイドリアン・ニューウェイ。ニューウェイにとっても通算200勝だった フェルスタッペンが首位を一度も譲らぬポール・トゥ・ウィンで、マイアミから4連勝となる今季6勝目を挙げた。通算勝利もセナに並ぶ41勝に伸ばし、レッドブ…

フェルスタッペン完勝、メルセデス躍進のスペインGP

フェルスタッペンがスペインGPを完勝した フェルスタッペンがポールトゥウィン、ファステストラップ、全周回トップの完全勝利で今季5勝目、通算40勝目を挙げた。スタートでは2番手スタートのサインツがアウト側から食い下がったが、終わってみれば2位に24秒…

ニューガーデン、赤旗3回後の「残り1周レース」を制する——インディ500

第107回インディ500を制したニューガーデン 赤旗3回の荒れたレース。ニューガーデンが赤旗再開後の「残り1周レース」でエリクソンをパスし、自身初のインディ500制覇を果たした。米国人選手の大逆転優勝で観客は大いに沸いたが、ファイナルラップ1周のレース…

フェルスタッペン、ポールポジションの価値を見せつけるモナコ制覇

スタートでフェルスタッペンは首位を守り、ポールの価値を見せつけた レース後半に雨で水びたしになる難コンディションのなか、フェルスタッペンが「モナコのポールポジションの価値」を存分に見せつける勝利を挙げた。アロンソが今季最高位の2位、オコンが…

モナコGP史上屈指の予選——フェルスタッペン気迫の0.084秒差ポール

イン側ギリギリを走る気迫のアタックでポールを獲得したフェルスタッペン 抜きどころのないモナコは毎回予選が激戦となるが、今年のようにフェルスタッペン、アロンソ、オコン、ルクレールの4人がQ3でポールを奪い合い、最終アタックでフェルスタッペンが0.0…

ホンダの26年「F1継続」と、アストンマーティン提携に寄せて

ホンダはアストンマーティン提携による26年のF1復帰を発表した ホンダは5月24日、2026年にF1へ参戦し、アストンマーティンにワークス待遇でパワーユニットを供給すると発表した。 報道では「F1復帰」と表記されることが多いが、現在の「レッドブル・ホンダRB…

フェルスタッペン「予定調和」の逆転劇と、ペレスの意地——マイアミGP

マイアミGPで逆転勝利を挙げたフェルスタッペン(左)と2位のペレス フェルスタッペンが9番手スタートからラスト9周で首位ペレスを抜き去る逆転勝利を挙げた。これでシーズン3勝目で、ランキングでのペレスとのポイント差は「14」に開いた。フェルスタッペ…

ペレス、タイトル争いの権利を取り戻す今季2勝目——アゼルバイジャンGP

今季2勝目を挙げたペレス ペレスが得意の市街地コースで今季2勝目を挙げた。土曜日のスプリントの勝利と合わせて33点を稼ぎ、チームメイトでランキング首位のフェルスタッペンとの点差を「6」に縮めた。前戦オーストラリアの予選クラッシュで失いかけた王座…

赤旗3回の大混乱。運営をめぐり物議を醸すレースに——オーストラリアGP

57周目、この日3度目のスタンディングスタートは大混乱に陥った フェルスタッペン一閃の首位奪還も、メルセデス2台の健闘も、ハミルトンとアロンソのつばぜり合いも、余韻はすべて吹き飛んだ。今回のレースはF1史上最多となった3回の赤旗と、運営側の判断が…

まさに「SHO TIME」!——WBC決勝、日本が悲願の王座奪回

(※野球は決して詳しくありませんが、個人の感想としてまとめます) WBC決勝戦のスコア まさに「SHO TIME(ショータイム)」。スーパースターは最後の最後で注目を全部持っていってしまう存在なのだろう。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の米…

ここぞの場面で生き返った「村神様」——WBC準決勝

(野球は無知ですが、個人的備忘録として書きます) サヨナラ二塁打を放った村上 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準決勝の日本-メキシコ戦は、4-5で迎えた9回裏での村上のサヨナラ二塁打で決着!! こんな劇的な展開、ありますかね!? 村上のサ…

ペレスとフェルスタッペンのタイムバトルにしびれた!——サウジアラビアGP

サウジアラビアGPで優勝したペレス ペレスが5秒後方から追い上げるフェルスタッペンとの壮絶なタイムバトルを制し、ポールトゥウィンで今季初勝利を挙げた。直接マシンが交わるバトルではないものの、チームメイト同士のこれだけ熾烈なファステストラップの…

早くも「ワンチーム」になったアロンソとアストンマーチン

表彰台でのアロンソ(中央) 開幕戦で最大の衝撃はアロンソの3位表彰台だった。上位が潰れたタナボタではなく、メルセデス勢2台とサインツをコース上で豪快にオーバーテイクしたうえでのポディウム登壇で、第2戦以降の表彰台も十分に期待できるレース内容だ…

フェルスタッペン完勝、王道への歩みを始めた開幕戦

開幕戦で優勝したフェルスタッペン(左から2人目)と、2位ペレス(左端)、3位アロンソ(右端) フェルスタッペンが開幕戦バーレーンGPを完勝し、タイトル3連覇へ好発進を決めた。 スタートでポールポジションのフェルスタッペンが順当に1コーナーを制すると…

予想外の混戦か?レッドブル勢の余裕か?——バーレーンGP予選

ポールポジションを獲得したフェルスタッペン(中央)と2位ペレス(右)、3位ルクレール(左) 上位勢も中段勢も、予想以上に混戦の予選となった。レッドブルが1-2を独占したものの、フェラーリ勢もコンマ3〜4秒差でセカンドローを確保。Q3で1回アタックとな…

まさかのアロンソvsフェルスタッペン?——F1開幕戦フリー走行

フリー走行3回目でアロンソがP2からの連続トップタイム! アロンソが絶好調だ。開幕戦バーレーンGPのフリー走行1回目(P1)を2位で発進すると、P2、P3で連続トップタイムを記録した。特にP3の予選シミュレーションは、最終コーナーでフラついたフェルスタッ…

際立つレッドブルの交渉力と、居場所を失ったホンダの未来

レッドブルの23年体制発表会。リア部分にホンダのロゴが描かれたマシンのバックで、レッドブルとフォードのジョイントを示すロゴが大々的に表示される皮肉な構図となった 「レッドブル、フォードと提携」——。2026年パワーユニット(PU)規定での衝撃的なレッ…