F1五輪観戦記

F1を中心に、五輪なども取り上げるスポーツ観戦記です

フェルスタッペン、ポールポジションの価値を見せつけるモナコ制覇

スタートでフェルスタッペンは首位を守り、ポールの価値を見せつけた

レース後半に雨で水びたしになる難コンディションのなか、フェルスタッペンが「モナコポールポジションの価値」を存分に見せつける勝利を挙げた。アロンソが今季最高位の2位、オコンが殊勲の3位表彰台となった。

(※この記事はモナコ終了後からインディ500開始までに書いたため、アストンマーティンのタイヤ交換の裏側など、事実確認が甘いです。ご了承ください m(_ _)m )

「後ろを見ながら」走る、モナコの定石通りの勝ち方

スタートから首位を走るフェルスタッペンにとっては「後ろを見ながら」走る戦いとなった。78周レースの40周を過ぎるとスタートで履いたミディアムタイヤの摩耗が進んだが、レース後半の雨が予想される状況でうかつにタイヤ交換に踏み切れない。

50周にはついに水滴が落ち始めたが、雨はコースの西側が中心で、フェルスタッペンはひたすらアロンソだけ見て自分の判断を遅らせた。水びたしのロウズヘアピンからポルティエを周回遅れの集団に囲まれながら走る際も、接触せぬよう耐えた。

コース上の順位が何よりも優先されるモナコでは、自分からタイヤ交換の手の内はさらさず、後ろの動きを待ってから相手の頭を押さえるのがセオリー。フェルスタッペンのレースはモナコの定石どおりだった。

各車のタイヤ交換。51周目のボッタスを皮切りにインターへのタイヤ交換が始まる

好ペースも神経戦に負けた?アロンソ陣営の謎のタイヤ交換

その神経戦に負けた格好となったのがアロンソ陣営で、コースの西半分がウェットとなるなか、54周目にスタートタイヤのハードからミディアムへ交換した。しかし、翌周に一層雨が激しくなり、ドライへのスイッチが間違いであることが明らかに。

フェルスタッペンは翌55周目、アロンソの動きを見て満を持してインターミディエイトに交換した。アロンソも1周で判断を翻してあとに続き、後ろから迫るオコンや、フェラーリ勢を際どく抑えた。

55周目、雨が強くなりポルティエにかけては水びたしに

アロンソもまた、後ろを見ながらのレースだった。

スタートでミディアムを履くフェルスタッペンに対し、2番グリッドのアロンソはハードタイヤを選択。アロンソはスタートの蹴り出し後にマシンを中央に寄せ、3位オコン以下のけん制に動いた。首位を狙うより、まずは2位を固めて様子を見る動きに感じられた。

ドライの状態でアロンソは首位一時から12秒以上引き離されたが、フェルスタッペンが周回遅れにつかまり、摩耗したタイヤと雨にも苦しみだすと8秒差にまで詰め寄った。雨のタイヤ交換は失敗だったが、インターミディエイト交換後のウェットでのペースもよかった。

アストンマーティン陣営が、49周目になぜアロンソにミディアムを履かせたかは不明だ。通り雨だと踏んだのか。ミディアムで粘るフェルスタッペンにしびれを切らし、同じドライタイヤ同士で追い上げようと考えたのか。

「あの余計なタイヤ交換がなければどのような結果だったか?」今年のモナコの大きな「if」として残った。

ドライ路面でフェルスタッペン先行も、アロンソもしぶとくプレッシャーをかける

最後尾スタートのペレスは雨を生かした挽回もかなわず、他車との接触やウィングの破損、もらい事故、フルウェットへの交換の失敗など、散々な内容で16位で終わった。王座争いでフェルスタッペンとの差は一気に39点に開き、予選結果がそのまま明暗を分けたモナコの決勝だった。