F1五輪観戦記

F1を中心に、五輪なども取り上げるスポーツ観戦記です

2022-01-01から1年間の記事一覧

2022年のお礼

結局未作成のままになってしまった日本GP記事 今年1年間、大変お世話になりました。競技の感想を文章に書き留める、ということを今年初めて試しましたが、書いても書いても着想が浮かんでくるような濃密な1年でした。 ブログにお付き合いいただき感謝します…

「メッシに身を捧げた」アルゼンチン、死闘の末にフランスを破る!——F1ファンが見たサッカーW杯④

悲願のワールドカップ制覇を果たし、自身も2度目の大会MVPを果たしたメッシ アルゼンチンがサッカーワールドカップ(W杯)決勝でフランスを3-3(PK4-2)で下し、32年ぶり3度目の優勝を果たした。メッシにとっても出場5度目での悲願のワールドカップ制覇とな…

モドリッチの背中越しに日本が見た「新しい景色」——F1ファンが見たサッカーW杯③

クロアチアのキャプテン、モドリッチ サッカーについては「ニワカ」の筆者が、サッカーワールドカップで感じたことの備忘録。今回はクロアチアがブラジルを破った準々決勝について。 決勝戦以前は、この試合こそが今大会のベストマッチだと感じた1戦。その意…

日本、クロアチアの「不屈の闘志」に屈する——F1ファンが見たサッカーW杯②

PK戦で敗れ、天を仰ぐ日本代表イレブン(奥)と、勝利に沸くクロアチアの選手 サッカーについては「ニワカ」の筆者が、サッカーワールドカップの日本代表戦を見て感じたことの備忘録です。第1回の『ポイント計算に熱くなるF1ヲタの性よ』に続く第2回目は、ベ…

ポイント計算に熱くなるF1ヲタの性よ——F1ファンが見たサッカーW杯①

今回のW杯日本代表戦でおそらく一番の名シーン。スペイン戦での三苫のゴールラインギリギリのパス F1ファンでサッカーに関しては「ニワカ」である筆者が、サッカーワールドカップの日本代表戦を見て感じたことの備忘録です。主に当日のTwitterの投稿を元に構…

最後まで戦い抜いたドライバーの大団円——アブダビGP

最終戦恒例の記念撮影で、ドライバー仲間を盛り上げるベッテル(手前) フェルスタッペンがポール・トゥ・ウィンの完勝で、自身の持つ年間最多勝記録を「15」に伸ばした。焦点となったドライバーズランキング2位争いはルクレールがハードタイヤで58周レース…

「偉大な挑戦者」 ベッテルの引退レースに、幸あれ。

引退レースに臨むベッテル。ヘルメットはチャリティオークションで募ったファン1000人の写真があしらわれている ついにベッテルが引退レースを迎える。「偉大な挑戦者」として戦い続けたベッテルにふさわしい舞台となるよう、心から願っている。 最強メルセ…

ラッセル初優勝の陰で、仁義なきチームメイト関係に揺れたサンパウロGP

初勝利を挙げたラッセル(左)をピットウォールで祝福するハミルトンとファンたち ラッセルが前日のスプリントに続く速さを見せ、グリッド先頭からのトップチェッカーでF1初優勝を決めた。ハミルトンも2位に入り、メルセデスは今季初勝利を1-2で飾った。一方…

ラッセル、混戦のスプリントを制す!——サンパウロGP

スプリントを制したラッセル(右)を祝福するハミルトン ラッセルがフェルスタッペンとの好バトルを制して、サンパウロGPスプリントの勝利を挙げた。本戦の優勝ではないものの、ラッセルの実力とメルセデスの復活を示す結果。3位のハミルトンがチームメイト…

ロコ・ソラーレ優勝!——カーリングのパン・コンチネンタル選手権

パン・コンチネンタル選手権の女子で優勝した日本のロコ・ソラーレ 日本のロコ・ソラーレが延長にもつれる韓国との激戦の末、カーリングのパン・コンチネンタル選手権の決勝を制し、初代女王に輝いた。勝利目前で迎えた逆転のピンチでコーチを含む6人全員が…

シルバーアロー復活の芽を摘んだレッドブルのタイヤ戦略——メキシコシティGP

シーズン最多記録を更新する14勝目を達成したフェルスタッペン フェルスタッペンが完勝し、シーズン最多記録を更新する14勝目を達成した。メルセデスは序盤にハミルトンとラッセルがレッドブル勢に食い下がったが、レース中盤のハードタイヤ装着が足を引っ張…

サーキットにいた「もうひとりの王者」――アップルのクック氏

(※本稿はアメリカGPの観戦記「格の違いを見せつけた王者たちと、林檎の国の主の来訪」の後半を分割し、いくつかいただいたご指摘を反映した投稿です) チェッカーフラッグを振るクック氏 F1アメリカGPにはフェルスタッペンら4人のほかに、もう1人意外な「王…

ポルシェとアウディの動向は?

ポルシェとアウディの社章 ポルシェは2026年のパワーユニット(PU)新規定に合わせたF1参入に向け、ウィリアムズと交渉を始めた模様だ。同じフォルクスワーゲン(VW)グループのアウディも、F1参戦の詳細を日本時間の本日(10月26日)17時に明らかにするとSN…

格の違いを見せつけた王者たちと、林檎の国の主の来訪——F1アメリカGP

首位を奪還したフェルスタッペン(左)と、シーズン初勝利を逃したハミルトン 4人の王者が躍動し、格の違いを見せつけた。フェルスタッペンはタイヤ交換のトラブルをものともせず追撃にかかり、ハミルトンはシーズン初勝利のチャンスに奮起し、アロンソは中…

ずぶぬれでレース再開を待った2時間と、舞台裏での重機問題——日本GP現地レポ②

赤旗中断中に大型ビジョンに映し出されたコースの様子。ところどころに川がある 10月7~9日の日本GPを現地で観戦した。またも論評っぽくなってしまうが、観戦記第2弾は2時間に及ぶ赤旗中断と、コース上の作業用重機が危険を招いた問題について考えたい。 私…

またもレースディレクターが水を差したフェルスタッペン戴冠劇——日本GP現地レポ①

鈴鹿でチャンピオンを決めたフェルスタッペン 10月7~9日の日本GPを5年ぶりに現地で観戦した。金・土・日と天候がすべて異なり、特に日曜は雨のなかの赤旗中断で2時間以上も待たされる試練の1日だったが、最後にフェルスタッペンの戴冠劇が待っていた。 鈴鹿…

「HONDA」ロゴ復活!——レッドブル系4台に日本GP以降の全戦で

ロゴの配置イメージ(ホンダのニュースリリースより) ホンダは10月5日夕方、日本GPを含む今シーズン残り全戦でレッドブルとアルファタウリのマシンに「HONDA」のロゴを掲載すると発表した。 鈴鹿限定かと思ったら、年内いっぱいということに驚いた。うれし…

来る者と去る者の交差点:③PU編(前編)——影の主役のホンダ、鈴鹿の週末に動きは?

21年トルコGPでのレッドブルの特別カラー サマーブレイク以降の数々の発表を『来たる者と去り行く者』に焦点を当てて振り返る。第3回はパワーユニット(PU)編。F1は100%再生燃料によるハイブリッドV6ターボの新規定を2026年に導入することを決定し、規格策…

ペレス、荒れたシンガポールで完勝! タイトル争いは鈴鹿に

シンガポールで圧巻の優勝を飾ったペレス レース開始前に降った豪雨により開始が1時間5分遅れたシンガポールGPで、2番グリッドスタートのペレスが完勝した。フェルスタッペンはノリスを抜きあぐねたうえに今季では珍しい大きなミスを犯し、一時はポイント圏…

来る者と去る者の交差点:②ドライバー編——台風の目となったピアストリとデ・フリース

2023年のドライバーラインアップ。29日時点では、アルファロメオの2つ目のシートは周冠宇の残留で確定している サマーブレイク以降の数々の発表を『来たる者と去り行く者』に焦点を当てて振り返る。第2回はドライバー編。今年はピアストリとデ・フリースの2…

来る者と去る者の交差点:①サーキット編――モナコが残り、フランスが消え、ラスベガス登場

25年までの開催契約延長が決まったモナコGP 夏休みからイタリアGPにかけてはドライバー人事や来季カレンダーが発表されるのが恒例だが、今年は特に大きな発表が相次いだ。数々の発表から『来たる者と去り行く者』に焦点を当てて振り返りたい。第1回はサーキ…

マイケル・マシを連れて来い?——フェラーリ惨敗と新星誕生のイタリアGP

隊列状態のままチェッカーを受けるフェルスタッペン 「マイケル・マシを連れてこい!!」と怒り狂うイタリア人もいたに違いない。今年のインディ500のような赤旗提示を求めたフェラーリファンもいたのかも——。いずれにしても、ルクレール劣勢の終盤戦に降っ…

鈴鹿マジック「3」に。映画さながらの母国凱旋レース——オランダGP

オランダGPでのフェルスタッペン フェルスタッペンが前年王者としての地元凱旋で今季10勝目を挙げた。単なる独走レースではなく、予選での超接近戦に加え、決勝でのピンチとハプニング、かつてのライバルの逆襲を散りばめた、『フェルスタッペン劇場』さなが…

3ワイドが「普通のこと」に見える怖さよ…——ベルギーGP

ベルギーGPの35周目。ケメルストレートでオコン(右端)が大外から2台まとめてパスする大迫力のシーン ベルギーGPの35周目。オー・ルージュを抜けたケメルストレートで9位オコンと8位ガスリーが7位ベッテルを間に挟んで3台横並びで併走し、オコンが大外から2…

鈴鹿タイトル決定マジック「15」に。手が付けられないフェルスタッペン——ベルギーGP

ベルギーGPでの表彰台。左から2位ペレス、勝者のフェルスタッペン、3位サインツ、右端はHRC(ホンダ・レーシング)の吉野誠氏 フェルスタッペンが15番スタートからの14台抜きで圧勝した。予選の圧倒的速さ——それも、Q1からQ3でソフトタイヤ2セットしか使わ…

もうひとつの「シューマッハの偉大さ」——2世代下と渡り合ったメルセデス時代

メルセデス時代のシューマッハ 2020年にF1が70周年を迎えた際に、私は「70年間の最強ドライバー」にミハエル・シューマッハを挙げた。7回のタイトル、通算91勝の成績はもちろん、フェラーリを立て直した功績は誰にもまねできないからだ。 しかし、私はシュー…

東京五輪で感じた「アスリートの言葉」の重み

東京2020マスコットのミライトワ(左)とソメイティ 2021年7月23日から8月8日まで開催された「東京2020オリンピック」から1年が過ぎた。大会後1年をきっかけに何か記事を書こうかとも思ったが、手付かずになってしまった。今回、筆を取ったのはNHKで放送され…

レース戦略で勝負する気概がないフェラーリ

話し込むフェラーリのビノット代表(右)と、サインツ(中)、ルクレール 2022年シーズン前半戦で作戦ミスによる取りこぼしが目立ったフェラーリ。『F1ラップタイム研究室』の前半戦レビューでは、「数字の本質的な読み方を理解しておらず、『レース屋』『勝…

F1チームのドライバー管理とリーダーシップ

チームがドライバーに求めるリーダーシップと、ドライバー管理の相関関係 (本記事は「ドライバーを自由にさせるが、脇が甘いエンストンのチーム」の続編です) アロンソ移籍とピアストリの契約問題を受けたアルピーヌの混乱を分析するにあたり、リーダーシ…

ドライバーを自由にさせるが、脇が甘いエンストンのチーム

アルピーヌを駆るアロンソ アロンソのアストンマーチン移籍の記事で、私は「トールマンの流れを汲み、エンストンに拠点を置くアルピーヌは、個性の強いドライバーがいてこそ輝くチーム」と書いた。 しかしながら、ピアストリの来季契約拒否に至る混乱を見て…