F1五輪観戦記

F1を中心に、五輪なども取り上げるスポーツ観戦記です

フェルスタッペン完勝、メルセデス躍進のスペインGP

フェルスタッペンがスペインGPを完勝した

フェルスタッペンがポールトゥウィン、ファステストラップ、全周回トップの完全勝利で今季5勝目、通算40勝目を挙げた。スタートでは2番手スタートのサインツがアウト側から食い下がったが、終わってみれば2位に24秒差がつく圧勝だった。

中高速コーナー主体のバルセロナは、空力を含むマシンの総合力が問われるサーキット。エミリアロマーニャが現地の洪水で中止となったため、常設サーキットでの昼間のレースは今季初(!)となった。

メルセデス躍進、フェラーリアストンマーティンが沈んだレース

その「第2の開幕戦」とも呼べるレースで躍進したのがメルセデスで、ハミルトンが4番グリッドから2位、ラッセルが12番グリッドから3位に入った。特に弟1スティントのソフトタイヤでの安定したペースが印象に残った。ゼロポッドをついに断念し、モナコで投入した新空力パーツが効果を発揮したのだろうか。

メルセデス躍進を象徴するシーン

逆に失速したのがフェラーリアストンマーティンサインツは2番グリッドから奮闘したが、ずるずる順位を落とし5位。予選Q1の不可解な失速で19位に沈んだルクレールは、決勝でも挽回できず11位に終わった。

地元のアロンソは予選Q1のコースオフでフロアにダメージを負い予選9位。決勝ではストロールに続く7位に留まった。

ハミルトンとラッセルがソフトタイヤで24、25周まで引っ張り、レースペースの良さがうかがえた

大健闘も、ペナルティが下った角田

角田裕毅は9位を走るレース終盤、後ろに周冠宇を従え、前のオコンを追いかけ回す大健闘を見せた。しかし、56周目の1コーナーアウト側から周が角田を抜きにかかった際、角田が2コーナーイン側のスペースを残さなかったとみなされ5秒ペナルティが下った。

接触でもないのにペナルティは理不尽だ、そもそも角田はで寄せていない、という気はするが、「最近のスチュワードの傾向から考えると、ペナルティ扱いされてもおかしくない」とも感じた。終盤の攻防に水を差された、としか言いようがない。

しかし、5秒加算前の9位フィニッシュは大健闘だ(ペナルティ適用により12位に降格)。シーズン序盤の仕上がりの悪さを思い起こすと、バルセロナで速いならマシンの向上は明らかだ。今後も角田にチャンスが巡ってくると信じたい。

2戦連続で精彩を欠いたペレス

そして、フェルスタッペンと直接タイトルを争うペレスは4位に終わり、ポイント差は53点に広がった。予選Q2の2回目アタックでコースオフして11番グリッドに沈み、決勝終盤の追い上げでも表彰台は叶わなかった。

マイアミGPの観戦記で、終盤に逆転負けしたペレスの表情を「悔しげだ」と記し、「ペレスがファイティングポーズを取り続ける限りは今シーズンの王座争いも期待できる」と書いた。しかし、後から振り返るとあの表情は「悔しさ」ではなく、「ガッカリ」という表現が正しかったのだろうか、とも思える。

モナコバルセロナと大きなミスを連発したペレス。どこかで奮起して一矢報いて欲しい、と心から感じる。


追伸)スーパーGTで大クラッシュした松田次生選手の回復を願っております。