F1五輪観戦記

F1を中心に、五輪なども取り上げるスポーツ観戦記です

フェルスタッペン圧倒も、大混戦の2番手以降——オランダGP予選

ポールポジションの記念を受け取るフェルスタッペン。個人的にはお姉さんの美しさに目がいく

フェルスタッペンがQ3で2回も赤旗が入る波乱の予選を制した。2位ノリスに0.5秒差、僚友ペレスに1.3秒差をつける圧倒的な速さだった。

未知のコンディションで圧倒的な差をつける

ルクレールのクラッシュによる2回目の赤旗中に路面がほぼ乾く。各車は残り4分の最終アタックで、未知のコンディションに飛び込んだ。

フェルスタッペンはスムーズ、かつ最高のスピードを維持。それまでのトップタイムを一気に1.5秒も上回る1分10秒567を記録した。

フェルスタッペンの凄さはペレスとのタイム差に現れている。もともとペレスはちょい濡れの路面に強い、との定評だったが、ドライパッチも見えたQ2でもフェルスタッペンに1秒差をつけられた。フェルスタッペンの見切りの的確さと、ペレスの不振の両方が現れている気がした。

大混戦の2位以降

マクラーレンはノリスが2位、ピアストリが8位。クルーはフロントローを喜ぶどころか、ポール獲得失敗を悔しがった。年初の苦境からここまで這い上がったマクラーレンのチーム力に、改めて恐れ入った。

アタックの遅い方ほど優位に働いた感があり、最後にコントロールラインを越えたラッセルが3位に飛び込んだ。

その前を走ったアルボンが4位(!)。直線番長が通じないコースで快挙、いや奇跡だ。ウィリアムズは10位にサージェントが入り、チーム力向上は本物かもしれない(なお、サージェントはQ3でクラッシュを喫し、破損具合によってはグリッド降格かもしれない)。

5位以下はアロンソサインツ、ペレス、ピアストリ。9位にQ3でクラッシュを喫したルクレールが入った(ルクレールもまた、ギヤボックス破損の懸念がある)。

Q3でクラッシュし、レジャー用の椅子に座るルクレール。どこかで既視感のあるシーン。。。

リカルドの代役で注目を集めたローソン

注目を集めたのが、負傷したリカルドの代役で今週末に急遽F1デビューしたリアム・ローソンだ。

急遽F1初参戦が決まったローソン

前日のFP2でリカルドは、前方でクラッシュしたピアストリを避けるために自らバリアに衝突。その際に左手の中手指を骨折した。

リカルドの骨折は治癒に時間がかかる模様だ。表現が悪くて申し訳ないが、ピアストリはまたもリカルドのキャリアに影響を与えたことになる。

私は「角田がリカルドから学ぶ機会が減るのは残念」と感じている。ローソン加入は角田のキャリアにとってプラスかマイナスかはわからない。

ピアストリのクラッシュ後、リカルドはピアストリ車との衝突ではなく、バリアへの直進を選んだ

注目の若手のローソンがF1に乗る。前年F2でランキング3位に入り、今年のスーパーフォーミュラで目下ランキング2位につける。日本のフォーミュラのレベルをローソンを通じて推し量ることもできるだろう。

ローソンはFP3、予選でそれぞれ18位、20位に終わった(なお、角田は13位、14位)。ただ、F1公式セッションの初乗りがちょい濡れのウェット、というのは速さより走りきることが重要で、順位に意味があるとは思えない。

ローソンの評価は数戦見てから、となるだろう。